本部の監視に息つく暇もなし背中を丸めて罰金1000円

小洒落たマンションに一室、薄いグレーを基調とした壁とフローリングの床が調和したシックな雰囲気のワンルーム。ここが内田店長の職場……静岡・沼津を網羅するデリヘル「L」の事務所だ。3人のスタッフは定規で背中を固定されているかのように、背筋をピンと伸ばしてパソコン画面に向かっている。その様子は集中しているというよりも緊張しているとようだ。異様な雰囲気である。「なんせ監視モニターで四六時中、見られてますからね。誰に?監視員の本部の部長補佐ですよ!」この監視モニターでのチェックは、グループ数十店舗全てで行われている。スタッフの働きぶりはもちろんことと、社長自ら練り上げたマニュアルにしたがっているかもチェックしているそうだ。そのマニュアルには「背筋を伸ばしてデスクに肘をつかない」「脚を組まない」「プライベートな会話は厳禁」など実に20項目もの基本姿勢が綴られている。万一、監視員が背中をピンと伸ばしていないスタッフに気づいた場合は罰金1000円、必要以上に脚を開いて腰かけていた場合は罰金300円など、罰金が加算されていく。その総額を給料から差し引いた額が1ヶ月分の手取りなのだ。「ここにいる限り、緊張しっぱなしで精神的に疲れますね。」そう言った内田店長はユニットキッチンで一服し始めた。内田店長いわく、このユニットキッチンとトイレだけが、モニターでみられない唯一心安らぐ場所だそうだ。

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